【読書感想】 『一歩を越える勇気』 ~栗城 史多(くりき のぶかず)~

限界に挑戦するアルピニストの現在進行形の自分史。

高校時代に目立ちたくない人たちの中で、なんとなく皆を引っ張る存在。
この人は引きこもりとは違うと思うが、高校生、大学生の頃は芽が出ない人だったのか。

現役で畑仕事をする、90歳を超えた私の祖母の妹いわく「野菜も早く育つのと、遅く育つのがいる、人間も一緒で大抵は皆、芽が出る」という言葉を聞いたことを思い出した。この人は高校生・大学生の頃には芽が出なかったが、卒業するころにマッキンリーへの登頂を成功させて、トン・トン・トンと階段を登りはじめたのだろう。まだ20代だから遅咲きではないだろうが、極めて密度の濃い人生を送っているので、短い期間の話ながら1冊の本に込められた生々しい体験談は鮮烈だった。

誰もできないと思っていることを、自分で自分を信じて挑戦し、見事に成し遂げる。それも一つ間違えると死と隣り合わせの7000m超の山への無酸素登頂という。死と隣り合わせの世界だからこそ「生」への意味が鮮烈に浮かび上がる。

何年も前に「クライマー列伝」という漫画で山に魅せられた男の物語を読んだり、映画「バーティカル・リミット」の世界など、ヒドゥン・クレバスなど危険な山の世界を思い出させられた。しかし、この本はそういう世界観が主題ではなかった。

山に生かされていること、それを受け入れることで苦しみが和らぐこと、極限状態でのチャレンジと達成したときの感動をネットで伝え『共有したい、繋がりたい』という想いが貫かれている。

この本は、人間どうしがつながっていく世界を、今の若い世代がITというツールを使って体現し、人間味を発揮しているさまが描かれている。

今も、若い世代である栗城さんがITを使って、挑戦しつづける姿をライブ中継している。今後の彼の動向に注目したい。

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